リカバリー・パレード「回復の祭典」への参加について迷われる方もいらっしゃるとのことで、2019.9 リカバリーパレード実行委員会(東京)が発行した資料を掲載します。
アメリカとイギリスの資料をけ日本向けに編集しました。原文はそれぞれネット上で、advocacy with anonymity とadvocacy with anonymity uk favor で見つけることができます。 |
★AA、NA、GAなど各種の12 ステップグループのメンバーが、アノニミティの伝統を尊重しながらアドボカシー活動を行うときに配慮するべきこととは?
依存症のためにいまも苦しんでいる仲間だけでなく、家族、多くの一般市民、そしてメディア、議員、裁判官、警察官などに、依存症は回復できるという事実を知らせるには、どうするのがいいだろうか。このパンフレットはこのような疑問に答えるものです。
質問:自分は12 ステップグループのメンバーであることを明かさなければ回復のアドボケート(擁護者、支持者、提唱者)として活動できると思うのですが、それでも伝統を傷つけることになりますか?
答え:そんなことはありません。回復に取り組んでいる人々がアドボケートとして発言することはこれまでもずっと行われてきました。依存症に関して最も古いアドボカシー団体は、AA の共同創始者ビル・ウィルソンとドクターボブが設立委員を務めた全米アルコール依存症・薬物依存症評議会(NCADD)です。この団体はAAの最初期の女性メンバーだったマーティ・マンが立ち上げました。
ビル・ウィルソンは1958 年の「グレープバイン」の記事で書いている。「……それからマーティ・マンがやってきた。アルコール依存症から回復した彼女は、社会は依存症に対する態度を変えなければならないと唱えた。アルコール依存症は病気であり、助けられるべきであると提唱(アドボケート)したのである。彼女は公衆教育の力強い計画と、全米に市民委員会を組織する計画を策定した。その計画を持って彼女は私のところに来たのです。私はとても興奮しました」
質問:なぜ、回復を支援するための政策や組織が必要なのですか。そして回復の声をあげる必要はどこにありますか?
答え:より多くの人々の回復を実現するには、私たちが一般の人々の目に見えるようにならなければなりません。私たちは、アルコール、薬物などの依存症には解決策があることを示す生きた証拠です。私たちが声をあげることで、依存症について、焦点が問題から解決へ移すことができます。そうすることで、長期の回復は可能であることが広く世の中に知られることになるのです。
日本では推定で500 万人以上(もしかしたら1000 万人代かも)の仲間が各種の依存症のために苦しんでいます。この数字はどの組織も実際の数字に同意できないための見積もりです。これは、どの組織も本当の数字に同意できないための見積もりです。
依存症は本人も家族も隠すので、治療を受けた人の数が依存症者の実数とは言えません。
私たちが一つになって声をあげれば、回復の道を探すうえで障害になっている恥と汚名の壁を打ち破ることができます。治療や回復支援へのアクセスを大幅に改善することで、これから生まれてくる子どもたちとその家族に、健康なコミュニティを残すことができるのです。
「フェローシップに参加している私たちの多くが、社会で自分の回復を〈明かす〉 ことにためらいを感じるのは、お互いを結びつけているスピリチュアルな原理にそむくのではないかと恐れているからです。私は最近、自分のことを長期の回復を進めている男であると自己紹介するようにしています。私が言いたいことが分かっている人は、私の気持ちを知っています。そして、私はこのメッセージを必要としている人に伝え続けるなら、私の基礎の部分を維持することができます」
サイモン・ジェンキンス(イギリスのアドボケート)
質問:私がAAや他の12 ステップのグループを通じて回復していたとして、自分がそのメンバーであると言わずに回復の話をするときの方法を教えてください。
答え:アメリカのアドボカシー団体「回復の顔と声」(Faces & Voices of Recovery)が、私たちが回復の話をする際に使える用語集を作っています。そこで提案されているものを紹介します。
「私は〇〇〇(あなたの名前)です。〇〇〇(アルコールなど使用したモノの名前や行為)を〇〇(やめている年数)年間やめています。回復することで私も家族も新しい目的と未来への
希望が持てるようになりました。生活も安定しています。私は他の人たちにも同じことが起きるよう心から願っており、その実現のために回復擁護の活動に参加しています」
あるいは単に、「私は12 ステップのグループで回復を進めています。ただ、私たちのグループの伝統はメディアの前ではグループの名前を伏せるよう提案しているので、ご理解くだ
さい」などと言うこともできます。
もしあなたがあなたが家族ための家族ための12ステップグループのメンバーなら、「私は身内(友人)の依存症から回復している家族です」と言うとよいでしょう。
「私はアノニミティとは姿を隠すことではないと理解しており、 アドボカシーの活動 に取り組んで います。一人の回復者として、また アドボケートとして、 アルコールや薬物の問題で苦しんでいる人々が治療を受け 、回復につながる 日が来ることを願っているからです 。アディクションを抱える人々は悪人ではなく病人なの です。何よりも回復のための解決策につながることが必要です」
アンネマリー・ウォード(イギリス 、「回復の顔と声」)
質問:アドボカシーの方法を教えてください。
答え:方法はたくさんあります。 各々が自分にできるやり方で取り組んでいます 。
例えばですが
- 各地のリカバリーパレード実行委員会や回復擁護ネットワークに参加する。そこでメッセージの方法を学ぶとよいでしよう。
- 回復を始める仲間のボランティア サポーターを務める
- リカバリーパレードの実行委員会メンバーになる
- 自分の コミュニティのリカバリーアドボカシー組織に加入する(ない場合は新たに設立する
- まず自らこのアディクションの問題を学ぶ
- リカバリーアドボカシー組織に寄付する
- ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを利用し、ネット上のつながりを作る
- リカバリーアドボカシーキャンペーンをチェックし、参加する
質問:自分の話をするには
答え:個人の物語はとても強力ですが、断酒会や12ステップグループで聞く分かち合いは依存症がひどかった頃のエピソードに集中しがちです。しかし家族や一般の人々はそういう話を必ずしも好みません。
いわゆる酔っぱらい話ではなく、どんなふうにして回復につながり、回復を進め、いまはどんな生活を送ることができているのかということに重点を置くと、一般の人を惹きつけることができます。そのためには、スピーチのトレーニングを受け、練習するとよいでしょう。話をするときの重要なポイントや適切な言葉遣いが学べます。
回復について話すときのポイントをいくつか紹介します。
- 一般的な話でなく個人の回復の体験を話す
- 過去の話よりも現在の話に重点を置く
- アディクションではなく回復の話をしましょう。
- 聴いてくださっている人たちが、回復とは何よりもまず、アディクションの行為が止まっていることであると理解してもらうことが大切です。そのために「長期間の回復」という言葉を使って回復の安定性について話しましょう。例えば2年とか5年とか10年とか、具体的な期間を話すとよいでしょう。
- そのうえで、回復の本当の意味は単にアディクションの行為が止まっているだけでなく、よりよい生活、幸せな生活、どんなに小さくでも世の中の役に立っていることを伝えるとよいでしょう。
質問:どこで話したらよいでしょうか?
答え:最初は一対一とか少人数の人を相手に話してみましょう。友人や近所の人を相手にするのもよいでしょう。話すことに慣れたら話すことに慣れたら、、人数も対象も人数も対象も広げましょう。経験を積むにつれて、アディクションに関わる医療、福祉などに携わる人々の前で話したくなるかもしれません。また、この活動活動は仲間と協力して行うとよいでしょう。
質問:アドボカシー活動はしたいのですが、人前で話すのが苦手です。ほかの方法はありますか。
答え:回復をサポートをする方法はたくさんあります。ツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアを使ってコミュニティの意識を高めることができますし、地元の新聞に手紙を書くとか、地方とか、地方議員に手紙を書いたり、訪問したり、イベントに招待したりするのもよい方法です。そうした活動で人々の固定観念が崩れるかもしれません。政策立案に携わっている人たちの中には有権者の現実的で人間的な話に共感を示してくれる人が少なからずいますし、回復の道を歩いているあなたの活動が、彼らが立案するが政策に影響を与える余地は十分にあります。
残念なことだが、大きなメディアは依存症のセンセーショナルな話題にしか興味を示さないことが多い。長期の回復にはほとんど関心がないように見える。しかし、幸いなことに、この情報を得たり伝えたりする方法がこの数十年で劇的に変化した。これらのツールを使えば多数の人々に回復のメッセージを届けることができる。ビッグチャンスが到来し手助けいるといえる。SNSを使えばセンセーショナルなスキャンダルではなく回復に焦点を当てた物語や情報を拡散できるし、コミュニティを作ることもできる。長い間、アディクションの影響を受けた人たちは公共政策の議論に参加する機会を失っていた。これからはできる限りの手段を使う必要がある。
ミカエラ・ジョーンズ(リカバリーアドボケート)
質問:アドボカシー活動を始める方法を教えてください。
答え:私たちの生活のほとんどの活動と同じように、まずは信頼できる人に相談に乗ってもらうことです。そして、自分の地域にリカバリーコミュニティ組織があるかどうかを確認しましょう。リカバリーコミュニティ組織が地元にない場合は仲間を募ることから始めるのが現実的でしょう。そうやって仲間といろいろなことを経験することが大切なのです。
最も重要なことは始めることです。以下は始めるうえでの一般的な注意点です。
- アディクション、仕事、金銭的な面で不安定な場合は公の場でスピーチすることは避けたほうがいいです。
- 回復に取り組んでソブラェティを、クリーンが2年以上続いている場合でも回復擁護のスピーチ訓練を受けていない人は、公的なメディアのレベルでスピーチする場合は非常に慎重に考えるべきです。
- あなたが12ステップグループのメンバーである場合は、そのグループ(AAとかNAとか)のメンバーであることは伏せ、その代わりに自分のアディクションは明らかにして、長期の回復を続けている者として話すとよいでしょう。
ビル・ウィルソンは私たちが活動を進めていく上で参考になる言葉を残しています。「まだ出口を見出せていない数百万人の仲間の回復を早めるために、私たちの回復のプロジェクトのスピードを上げましょう私たちが行う効果のある活動は私たちの特別な支持を必要としていません。これらの活動に必要なのは個人として可能な限り手を差し伸べることなのです」
「私は長期の回復をしています。また、長年、ドラッグやアルコールの分野で働いています。私はアノニミティを保ちながら、自分自身の回復自身の回復をオープンにしています。オープンにすることで、私は治療や回復について地域や国レベルで行われる議論に貢献することができます。警察当局者、各種の委員会、サービス提供者、そしてより広範なコミュニティは、リカバリーに携わる人々から話を聞くことで、大きな利益を得ることができます。私たちの経験を共有することで、前向きな変化を促すことができます。私は私の声がほかの仲間のためになることが分かっていますが分かっています」
デブ・ドリンクウォーター(リカバリーアドボケート)
無名性(アノニミティ)とは
無名性の原理は、人々の回復のための安全な場所を保証するため、さらにアルコホーリクや他の依存症の人の回復を手助けすることが彼らの目的の焦点であり続けるようにするために作られました。
各種メディアのレベルでは、無名性は多くの12ステップグループや回復プログラムの土台となる原理です。それは回復者を詮索から守ってくれる、成功のために欠かせない要素です。無名性は、各個人が謙虚さを形成するための重要な役割も果たしており、回復におけるスピリチュアルな基盤となっています。
以下に12ステップグループの多くが使っている無名性(アノニミティ)の原理を表している伝統を掲げます。
<伝統6>
“[12ステップグループ]はどのような関連施設や外部の事業にも、その活動を支持したり、資金を提供したり、[12ステップグループ]の名前を貸したりすべきではない。金銭や財産、名声によって、私たちが[12ステップグループ]の本来の目的から外れてしまわないようにするためである。”
<伝統10>
“[12ステップグループ]は、外部の問題に意見を持たない。したがって、[12ステップグループ]の名前は決して公の論争では引き合いに出されない。”
<伝統11>
“私たちの広報活動は、宣伝よりもひきつける魅力に基づくものであり、活字、電波、映像の分野では、私たちはつねに個人名を伏せる必要がある。”
ここで示されていることは、12ステップグループのメンバーであると自分を明かすことでグループを巻き込むことをしなければ、あなたは自分自身の回復について話すことができ、他の人たちの権利を擁護することができるということです。